春の奄美大島は、心躍る奄美大島ならではのアクティビティが待っています。大島紬村では、豊かな亜熱帯の景色に囲まれながら、泥染めの技術を学び、自然の恵みを感じることができます。
奄美大島を代表する伝統工芸品「大島紬」。世界三大織物にも数えられる、日本が世界に誇る織物。
深い黒に加え、緻密な染めと手織りの技術で知られ、織る前に糸の先染を行う所から30以上の工程を経て生み出される生地は、艶のある優雅な光沢を持ち、しなやかな肌触り、軽やかな着心地でシワになりにくいという特徴があります。一つ作り上げるのに半年から一年もの時間を要する最高峰の織物、大島紬の一端に触れてみましょう。
今回お邪魔した大島紬村では、人気の泥染め体験をはじめ、亜熱帯植の自然に囲まれた庭園を散策しながら、白い絹糸から大島紬ができるまで、全ての工程を見学し、伝統工芸に触れることができます。
大島紬村がある赤尾木は泥染め発祥の地とされており、かつて天から白馬が降り立ち、その時にできた美しい湖から湧き出る水と泥が、絹糸を美しい色に染める水と染料にななったという「天の川伝説」があります。早速その神秘を秘めた大島紬について深掘りしましょう。
まずは職人の方と、希望の柄や色の濃さなど事前の打合せをして、作業の流れをレクチャーしていただきます。島人のおじとの会話も楽しみながらなごやかにスタートします。
次に染料に浸していきますが、この染料も”テーチ木”と呼ばれる車輪梅(しゃりんばい)の木を山から切り出し、チップ状にした車輪梅を工房内の大釜煮出し、そしてさらに煮汁を数日間寝かす工程を経てこの染料が出来上がります。
この染料で褐色に染まると、天然の染め場である”泥田”に移動し、泥をすり込んでいきます。
奄美の土壌に多く含まれる鉄分と、車輪梅の染料に含まれるタンニンが化学反応を起こすことで、生地は少しずつ大島紬の伝統色”大地の色”に染まっていきます。
この工程(染料⇒泥⇒染料⇒泥)を繰り返す事でより深い黒の光沢が生み出されます。
褐色を残したい場合や、黒寄りの雰囲気を出したい場合でこの工程の回数は変わります。
自然の恵みと先人たちの知恵から生まれた奄美大島の泥染め。職人さんと一緒になって泥を踏みながら、1300年以上ものあいだ受け継がれてきたその文化に触れる貴重な時間を楽しみます。
奄美大島の泥は、粒子がとても細かくなめらかで、生地や糸を傷めることなく、しなやかに染めあげることができるのだそうです。
また、泥染めを施すことで、その天然成分により防虫効果や、消臭作用も生まれます。
泥染めのここまでの工程を終えたら、後は脱水して乾くのを楽しみに待つだけ。
乾くのを待ってる時間を使って庭園内の散策をしながら、工房で大島紬ができるまでの工程を見学すれば、染色から実際の大島紬となる全工程を理解することができ、他にはない大島紬村ならではの体験ができるので、大変おすすめな巡り方です。
工房内の作業場では、職人さんが実際の作業工程を分かりやすく説明してくれ、伝統文化に触れるだけでなく、時に質問を交えた談笑ができるので、ここでも島人と特別な思い出となるのが嬉しいですね。
この体験させていただいた日は天気も良く、天日干ししていた染め物も乾き、早速できた染物を着用して庭園を散策することができました。
手入れが行き届いた歩道と亜熱帯植物の緑に囲まれた敷地内を堪能し、最後はオリジナルアイテムなどが購入できるショップへ。
紬を使った様々なオリジナル商品があり、自分用やお土産にもピッタリなアイテムが揃ってます。
泥染め、製造工程見学、庭園散策など、奄美の伝統文化・伝統工芸に触れながら、奄美大島ならではの体験ができる大島紬村。
当ホテルからお車で、約10分程にあるので、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
大島紬村
〒894-0411 鹿児島県大島郡龍郷町赤尾木1945
TEL:0997623100
営業時間 9:00~17:00
大島紬村の入口では、当ホテルでも取り扱いのある、奄美のさとうきびで作る無添加のBean to bar chocolate「NESARI(ネサリ)」の工房、兼、コーヒースタンドが併設されており、スペシャルティコーヒーやカカオを使ったスイーツやドリンクを楽しむことができます。お土産としてもおすすめのNESARIチョコレート。営業時間をインスタグラムでチェックして、ぜひ合わせてお立ち寄りください。
0コメント