澄んだ冷たい空気のこの季節、京都には心も体も包み込んでくれるような温かいグルメがたくさんあります。今回は、京都ローカルに長年愛されている冬ならではのおすすめをご紹介します。
そもそも京都のお寿司と言えば、魚を長期間保存できるよう加工したネタが一般的です。蒸し寿司は、そんな京寿司の冬バージョンのようなもの。簡単に言えば、温かいちらし寿司。竹製の蒸し器で作られるちらし寿司は、アナゴやエビなど火を通すことで豊かな風味を味わえる食材で彩られています。酢飯に鱧や穴子を混ぜるお店もあります。関西地方特有の蒸し寿司は、寒い季節にほっとするお料理です。
本場の味を味わえるのは、ここ!
創業200年の老舗「すえひろ」は、蒸し寿司の技を知り尽くしている名店。鯖寿司、箱寿司、巻き寿司、稲荷寿司、ちらし寿司、蒸し寿司など代々受け継がれてきた京都らしい伝統の技が光ります。
祇園にある「千鳥亭」の店主は現在3代目、家族代々受け継がれた味が親しまれています。絶妙な味付けで漬け込まれた鯖寿司が人気です。蒸し寿司や鯖寿司の他にも、伝統的なちらし寿司やうなぎ寿司などもおすすめです。
寒いこの季節には、鍋焼きうどんは大変人気です。鍋焼きうどんの魅力は、熱々のまま食べられること、そして野菜、卵、エビ、かまぼこ、天ぷらなど具沢山なところでしょうか。シンプルながらダシの豊かな風味が味わえるので、本場の京料理を求める人にも人気があります。
鍋焼きうどんのおすすめ店はこちら!
錦市場にある「冨美家」は、具だくさんで優しい出汁の「冨美家鍋」で有名な店です。甘めのお出汁と手頃な値段で、長く地元で愛されている人気の一品です。お餅が入っているのが最大の特徴で、お腹をしっかりと満たしてくれますよ。
元々は蕎麦屋だった「権兵衛」は、今では京風うどんも人気のお店。茹でたて熱々のうどんが土鍋に盛られ、キノコやタケノコなどの野菜、エビフライ、鶏肉、生卵などが加わり出汁で煮込みます。他にも「しっぽく」や「けいらん」など、あんかけや玉子とじの定番うどんもあります。「権兵衛」は午前11時半から午後8時で通しで営業しているので、気軽に立ち寄れるお店です。
お正月の鏡開きの後によく食べられるぜんざいは、その始まりが出雲地方だとか。小豆から作られるぜんざいは、優しく甘い香りが漂い、餅や白玉団子の食感も楽しめる和スイーツ。柔らかくもっちりとしたお餅と小豆汁をいただくとほっと心が温まります。豊かな伝統と安らぎを感じられるぜんざいは、京都の冬の真髄であり、地元の人にも観光客にも季節の温もりを感じさせてくれるでしょう。
ぜんざいを味わうなら、このお店!
大極殿本舗六角は1885年創業の和菓子店。築150年の京町家カフェ「栖園」では、くるみ、よもぎ、米の3種類の自家製餅を使った名物ぜんざいをはじめ、作りたての和菓子がそろいます。
祇園にある「鍵善良房 四条本店」は300年以上の歴史があり、きび餅を使った濃厚なぜんざいが冬の名物。お店の入り口では和菓子も販売しています。奥のイートインスペースは、お店の歴史と京都の情緒を感じながら、定番の葛切りや季節の和菓子をいただけます。
寒い冬の京都も、蒸し寿司や鍋焼きうどん、ぜんざいまで豊かな伝統を感じられるこれらのグルメがあれば乗り切れるものです。伝統に培われた一品一品が、冬の心温まる食体験を届けてくれるでしょう。
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